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Web制作会社が納品後のクライアントサイト品質を継続監視する方法

納品後にクライアントのCMS操作ミス・改ざん・意図しない変化を早期検知し、保守品質を高めながら追加受注につなげるWebサイト監視の実践ガイド。

|7分で読めます

納品3ヶ月後に「サイトがおかしい」と連絡が来る理由

制作会社とクライアントの間でよくあるやりとりがある。

納品から3ヶ月後、クライアントから「なんかトップページの見た目が変わってしまっている」「問い合わせフォームが動かない」という連絡が入る。調べてみると、クライアントがCMSのブロックエディタを触って意図せずレイアウトを崩していた——というケースだ。

この種の問題は、クライアントが「操作した」という自覚を持っていないことも多い。新着情報を1件追加しようとしただけなのに、誤って別のブロックを削除してしまっていた、ということが実際に起きる。

問題の本質は「変化への気づきの遅さ」にある。クライアントから報告が来た時点では、すでに何週間も問題ある状態が続いていた可能性がある。その間、問い合わせの機会損失が発生していたかもしれない。

納品して終わり、ではなく「変化に気づく仕組み」を持つことが、制作会社のサービス品質の差別化になる。本記事では、納品後サイトの継続監視を実務として取り入れる方法を解説する。


納品後サイト品質管理の3つの落とし穴

1. CMSを渡した瞬間にコントロールを失う

WordPressやCraft CMS、Shopifyなど、現代のサイト制作はクライアントが自分でコンテンツ更新できることを前提に作られる。それ自体は正しいが、「操作の自由度」と「制作意図からの逸脱リスク」はトレードオフの関係にある。

ページビルダー系のCMSは特に要注意だ。視覚的に操作できる反面、ブロックの削除・移動が容易で、意図しない見た目の変化を起こしやすい。マニュアルを渡したとしても、数ヶ月後にはその存在すら忘れられていることが多い。

2. 改ざん・セキュリティインシデントへの検知が遅れる

CMS(特にWordPress)はバージョンアップやプラグイン更新を怠ると、改ざん被害のリスクが高まる。問題は、改ざんが発生しても「クライアント自身が気づかない」ことだ。

ヘッダーやフッターにスパムリンクが挿入されても、ページ自体は表示されているため、クライアントは問題に気づかずに使い続ける。SEOへのダメージが蓄積してから初めて「何かおかしい」と気づくケースも少なくない。

3. 定期目視チェックは工数過多で継続できない

複数クライアントを抱える制作会社やフリーランスの場合、「月1回、各クライアントのサイトをひととおりチェックする」という運用を人手でやろうとすると、クライアントが10社あれば相当な時間を要する。

実際には「なんかあれば連絡が来る」という受け身の体制になりがちで、問題の早期発見ができていないことが多い。


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監視すべきページの種類と変化のパターン

すべてのページを同じ頻度・粒度で監視する必要はない。まず「変化が起きやすい箇所」「変化が起きると影響が大きい箇所」を優先して登録するのが現実的だ。

優先度が高いページ

ページ種別 主な変化リスク
トップページ(/) レイアウト崩れ、キャッチコピーの誤変更、メインビジュアルの消失
問い合わせページ(/contact) フォーム削除・リンク切れ、送信先メールアドレスの変更
サービス・料金ページ 価格の誤記、サービス内容の意図しない変更
採用ページ 募集要項の誤削除、条件の変更
LP(広告配信中のもの) CTAボタンの消失、特典内容の誤変更

変化のパターン別の意味合い

テキスト変化(小〜中): CMS操作による誤記・誤削除が多い。軽微なうちに検知できれば修正工数は小さい。

HTML構造の変化(大): プラグインの更新や、テーマのアップデートによるレイアウト崩れが典型。見た目の変化が大きく、ユーザー体験への影響が直接的。

新規ページの出現: クライアントが勝手にページを追加している場合、サイト構造の把握が追いつかなくなる。保守作業の見積もり精度にも影響する。

外部リンクの増加: 改ざんによるスパムリンク挿入の兆候として最も重要なシグナル。


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Compatoを使った実務フロー

複数クライアントのサイトを人手なしで継続監視する手順を説明する。

ステップ1:クライアントごとにURLを一括登録

Compatoでは「ドメイン単位」ではなく「URLページ単位」で監視登録する。1クライアントあたり、まず前述の優先度が高いページ(3〜5URL)を登録するところから始める。

登録後、チェック頻度を設定する。WordPressサイトの場合、クライアントが週1〜2回更新するケースが多いため、「日次チェック」が現実的な粒度だ。

ステップ2:Slack通知を制作会社の作業チャンネルに接続

CompatoはSlack通知に対応している。クライアントごとにチャンネルを分けるか、「サイト監視」専用チャンネルを1つ作って全クライアントの通知をまとめるかは運用次第だ。

通知のポイントは「変化があった時だけ届く」設計になっていること。毎日通知が来るのではなく、実際にサイトに変化が検知されたときだけ通知が飛ぶため、アラート疲れが起きにくい。

ステップ3:変化通知を受けたら内容を確認・クライアントへ先回り報告

変化の通知を受けたら、Compatoの差分画面で変更内容を確認する。

  • 軽微な変化(テキスト修正など): 問題なければスルー、または月次レポートに記録
  • 意図しないレイアウト崩れ: クライアントに連絡し、修正対応を提案
  • 不審な変化(スパムリンク疑い等): 即時クライアントへ連絡し、セキュリティ対応を開始

この「通知→確認→判断」のサイクルを回すことで、複数クライアントのサイト状態を能動的に把握できる。

複数クライアント管理の現実的な規模感

  • フリーランス(クライアント5〜10社): 各社3URLで計15〜30URLの登録が目安
  • 小規模制作会社(クライアント20〜30社): 各社3〜5URLで計60〜150URLの登録が目安

Compatoのスターター(¥1,480/月)で最大15URL、グロース(¥4,980/月)で最大50URLを管理できる。


「サイト変化の先回り報告」が保守契約継続率を上げる

保守契約を継続してもらうために最も効果的なのは「価値が見えること」だ。月額を払っているクライアントの多くは「何もなければ何もしていないように見える」という問題を感じている。

サイト監視ツールを使うことで、変化レポートを月1回クライアントに提供できる

件名: 【サイト月次レポート】○月のサイト変化サマリー

今月の監視結果をお知らせします。

【検知した変化】
- 3/5(水) トップページのスライダー画像が1枚減少を検知 → 確認したところ意図的な更新であることを確認
- 3/12(水) お知らせページに3件の新規投稿を検知 → 正常な更新

【今月の対応】
特に問題ある変化はありませんでした。

【来月の保守予定】
WordPressコアバージョンの更新(現在6.x → 最新版)を実施予定です。

このようなレポートを月1回送るだけで、クライアントは「ちゃんと見てくれている」と感じる。問題がなかった月でも「問題がないことを確認した」という事実をきちんと伝えることが重要だ。

追加受注への展開パターン

変化の検知は、追加受注の糸口にもなる。

パターン1: レイアウト崩れの修正提案 CMS操作でレイアウトが崩れているのを検知 → 修正見積もりを提案 → スポット対応受注

パターン2: 新ページ追加に気づいてリデザイン提案 クライアントが既存テンプレートを流用して新ページを作っていることを検知 → デザイン改善を提案

パターン3: サイト構成の変化を保守更新の根拠に 半年でページ数が増加していることを根拠に「サイトマップの整理・SEO対策」を提案

保守作業の見積もりを出す際も、「現在のサイト状態」を正確に把握していることは精度に直結する。監視ツールが記録してきたページ構成の変遷データは、その根拠として使える。


まとめ

納品後のクライアントサイト管理において、現状の「問題が起きてから対応する」体制には限界がある。

本記事で整理したポイントを振り返る:

  • CMSを渡した後のサイト変化は、放置すれば積み重なり、問題発覚時には修正コストが増大する
  • 改ざんやセキュリティインシデントは、クライアント自身が気づかないことが多い
  • 目視による定期チェックは、クライアント数が増えるほど工数的に継続できない
  • 監視ツールを使って「変化の先回り報告」をする制作会社は、保守契約の継続率・単価の両方で優位に立てる

月数千円のツールコストを、保守契約の単価に転嫁するかどうかは判断次第だが、「何かあれば連絡してください」から「変化を検知して先にご連絡します」への転換は、クライアントとの関係の質を変える。


Compatoについて

Compatoは、複数のWebサイトの変化を自動で検知し、Slackやメールで通知するサービスです。Web制作会社が複数のクライアントサイトをまとめて監視し、問題を早期発見するための実務フローに組み込めます。

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Compato 編集部

競合サイト監視ツール「Compato」の開発・運営チームです。市場を先読みするための競合インテリジェンス知識を、BtoBセールス・PMM・CSに向けて発信しています。

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