競合分析テンプレートBtoBSaaS競合監視

競合分析テンプレート【BtoB SaaS向け】|すぐ使える雛形と項目解説

BtoB SaaS企業がそのまま使える競合分析テンプレートを公開。調査項目の解説と、テンプレートを「生きた状態」に保つための自動更新フローも紹介。

|14分で読めます

「競合分析はやっているが、フォーマットが人によってバラバラで比較しにくい」「過去に作ったシートがあるが、誰も更新していない」——BtoB SaaSのマーケターやPMからよく聞く悩みです。

競合分析の問題は、やり方が統一されていないことと、一度作っても更新されないことの2つに集約される。この記事では、BtoB SaaSに特化した競合分析テンプレートの項目と、それを継続的に更新するためのフローを解説する。さらに、各セクションの記入例・SEO/コンテンツ戦略セクション・カスタマーレビューセクション・1社まとめの競合プロファイルカード・運用ガイドを加え、実務でそのまま使えるレベルに仕上げた。


テンプレートを使う前に:競合の選定

競合分析テンプレートを埋める前に、分析対象の競合を選定しておく必要がある。

直接競合:自社と同じターゲット・同じ課題解決を提供するサービス(3〜5社)

間接競合:異なるアプローチで同じ課題を解決するサービス、または隣接市場のプレイヤー(2〜3社)

代替手段:スプレッドシート・手作業など、顧客が現在使っている非ツール的な解決策

すべてを同じテンプレートで分析しようとすると負荷が高くなる。まず直接競合3社を詳細に分析し、間接競合は簡易版で整理するアプローチが現実的だ。


BtoB SaaS向け競合分析テンプレート

以下では、架空のBtoB SaaS競合監視ツール「ABC社」を記入例として示す。ABC社は設立4年目・シリーズBの競合で、主に中堅〜大企業をターゲットにしているという想定だ。

セクション1:基本情報

項目 自社 競合A(ABC社) 競合B 競合C
サービス名 ABC Monitor
設立年・本社 2021年・東京
資金調達状況 シリーズB・総額12億円
従業員数(概算) 約80名
主なターゲット業種 IT・製造・金融
主なターゲット規模 従業員300名以上

調査のポイント:資金調達状況はCrunchbaseやPR TIMESで確認できる。従業員数はLinkedInのCompanyページが最も速い。設立年はドメイン取得日や法人登記情報(国税庁の法人番号公表サイト)でも裏取りが可能だ。


セクション2:プロダクト・機能

項目 自社 競合A(ABC社) 競合B 競合C
コアバリュー(1行) 競合サイトを24時間監視し、変化を即座に通知
主要機能(上位3つ) ①変更検知 ②スクリーンショット比較 ③Slack通知
強みとする機能 AIによる変更の重要度スコアリング
対応外・弱い機能 価格トラッキングの精度が低い・モバイルアプリなし
連携・インテグレーション数 15種類(Slack・Teams・Jira等)
モバイル対応 Webのみ(アプリ未対応)

調査のポイント:機能の強み・弱みはヘルプドキュメントと公式デモ動画を合わせて確認する。「対応外・弱い機能」はG2やCapterraのレビューに「この機能が欲しい」「ここが不便」という記述が集まっているため、レビューサイトが最も効率的な情報源だ。


セクション3:価格・プラン

項目 自社 競合A(ABC社) 競合B 競合C
無料プランの有無 あり(URL3件・30日間)
最安プランの価格 月額9,800円(スタータープラン)
課金モデル 監視URL数ベース
年払い割引率 20%オフ
エンタープライズ対応 あり(要問合せ・SLA付き)

調査のポイント:料金ページはログイン不要部分のみ確認できるケースが多い。エンタープライズプランの詳細は問合せが必要だが、競合の営業資料がSlideShareや事例記事に掲載されていることがある。価格改定の把握には、料金ページを変更検知ツールで常時監視するのが効果的だ。


セクション4:マーケティング・ポジショニング

項目 自社 競合A(ABC社) 競合B 競合C
キャッチコピー 「競合の一手を、見逃さない」
主な差別化訴求 AIによる変更の重要度判定・誤検知ゼロ
メインの集客チャネル 検索流入(SEO)・LinkedIn広告
コンテンツ・SEO投資 月4本ブログ更新・推定月間PV 2万
主な導入事例の業種 製造業・SaaS・コンサルティング

調査のポイント:キャッチコピーはトップページのファーストビューを確認する。集客チャネルはSimilarWebの無料版で概算トラフィックソースを把握できる。ブログの更新頻度はRSSフィードまたはブログ一覧ページを監視すると自動的に把握できる。


セクション5:強み・弱み(自社視点)

競合 競合の強み(自社にとっての脅威) 競合の弱み(自社にとっての機会)
競合A(ABC社) AI重要度スコアリングの認知度が高い。シリーズBの資金でマーケ投資を加速中 モバイルアプリ未対応・価格トラッキング精度が低い・中小企業向けプランが手薄
競合B
競合C

セクション6:SEO・コンテンツ戦略

BtoB SaaSでは、SEO・コンテンツが主要な顧客獲得チャネルになっているケースが多い。競合のSEO投資状況を把握することで、自社のコンテンツ戦略に活かせる。

項目 自社 競合A(ABC社) 競合B 競合C
ドメインオーソリティ(DA/DR) DR 42(Ahrefs)
推定月間オーガニック流入 約18,000PV/月
上位表示している主なキーワード 「競合分析 ツール」「Webサイト 変更検知」等
ブログ記事数・更新頻度 約80記事・月4本
主なコンテンツテーマ 競合調査ハウツー・ツール比較・事例紹介
ホワイトペーパー・資料配布 あり(競合分析テンプレート配布)

調査方法:ドメインオーソリティはAhrefs(DR)またはMoz(DA)の無料版でおおまかに確認できる。上位キーワードはSemrushやAhrefsの「競合のオーガニックキーワード」機能で一覧を取得できる。無料ツールであれば、Googleで「site:competitor.com」検索でインデックスページ数を確認し、ブログ一覧ページで更新頻度を目視で確認する方法が手軽だ。


セクション7:カスタマーレビュー・評判

G2やCapterra等のレビューサイトは、顧客が本音で書いた強み・弱みが集まっている。公式サイトでは見えない「実際の使い心地」を把握するために欠かせないセクションだ。

項目 自社 競合A(ABC社) 競合B 競合C
G2 スコア(/5) 4.3(レビュー52件)
Capterra スコア(/5) 4.1(レビュー29件)
Googleビジネス / App Store 該当なし
よく挙げられる強み 通知の速さ・UIのシンプルさ・サポートの丁寧さ
よく挙げられる弱み 価格が高い・モバイルアプリがない・日本語UIが不完全
競合と比べて言及されること 「旧ツールより通知精度が高い」「機能はABC社が上だが価格がネック」

調査方法:G2・Capterraはサービス名で検索すると専用ページが表示される。レビュー件数が少ない場合はProductHuntやSNS(X/LinkedIn)でも評判を確認する。レビューの「Pros」と「Cons」セクションを読み込むだけで、顧客が感じる強み弱みの傾向を効率的に把握できる。日本語ツールであれば、はてなブックマーク・Zennのレビュー記事も参考になる。


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競合プロファイルカード(1社1枚フォーマット)

複数社を横断比較する7セクションのテンプレートとは別に、1競合を1枚で把握する「競合プロファイルカード」も用意しておくと、営業やPMが素早く情報を確認できる。新しいメンバーのオンボーディング資料としても役立つ。


競合プロファイルカード

【基本情報】
サービス名:ABC Monitor
URL:https://abcmonitor.example.com
設立:2021年 / 本社:東京
資金:シリーズB(12億円調達済)
従業員:約80名
ターゲット:従業員300名以上のIT・製造・金融企業

【コアバリュー】
競合サイトの変化をAIで重要度スコアリングし、24時間以内に通知する

【主要機能(Top3)】
1. 変更検知(テキスト・画像の差分表示)
2. AIによる変更の重要度スコアリング
3. Slack / Teams / Jira 連携通知

【価格帯】
無料:URL3件・30日間
スタータープラン:月額9,800円(URL20件まで)
年払い:20%オフ
エンタープライズ:要問合せ

【SEO・マーケ概況】
- DR 42 / 推定月間流入 18,000PV
- 月4本ブログ更新・競合分析ハウツーが主なテーマ
- LinkedInとSEOが主力チャネル

【評判(G2 4.3 / Capterra 4.1)】
強み:通知速度・シンプルなUI・サポート品質
弱み:価格の高さ・モバイルアプリ未対応・日本語対応が不完全

【自社との比較サマリー】
脅威:AI重要度スコアリングによる差別化訴求・シリーズBの資金力
機会:中小企業向けプランが手薄・価格が高く乗り換え候補になりやすい

【最終更新】2026-03-13 / 担当:○○

このカードをNotionのデータベースに1競合1ページとして管理すると、チーム全員がいつでも最新情報を参照できる。テンプレートの7セクションと連動させ、テンプレートの更新時にカードも更新するルールを設けると情報の鮮度を保ちやすい。


各項目の調査方法

テンプレートの項目をどこから調べるかを整理しておく。

セクション 主な情報源
基本情報 公式サイト・Crunchbase・LinkedInのCompany情報
プロダクト・機能 機能ページ・ヘルプドキュメント・デモ動画
価格・プラン 料金ページ(ログイン不要部分)
マーケティング トップページ・LP・ブログ・導入事例ページ
強み・弱み 上記すべて+レビューサイト(G2・Capterra)
SEO・コンテンツ Ahrefs・Semrush・SimilarWeb(無料版でも概況把握可)
カスタマーレビュー G2・Capterra・ProductHunt・SNS(X/LinkedIn)

初回作成時は各競合のサイトを一通り閲覧して手動で埋めていく。所要時間は1競合あたり2〜3時間が目安だ(SEO・レビューセクションを追加した場合)。


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テンプレートの運用ガイド

初回作成のステップ

テンプレートを初めて作成する際は、以下のステップで進めると手戻りが少ない。

ステップ1:競合リストの確定(Day 1 / 担当:PM・マーケ)

  • 直接競合3〜5社・間接競合2〜3社を選定する
  • 選定基準(検索上位・既存顧客の比較検討先・営業現場での言及頻度)を明確にする

ステップ2:分担と調査(Day 2〜4 / 担当:担当者1〜2名)

  • 1競合あたり担当者を1名アサインする
  • 調査の範囲を「テンプレート内の各項目」に限定し、必要以上に深掘りしないようにする
  • 不明な項目は空欄にして「要確認」と記載し、後回しにしてよい

ステップ3:レビューと補完(Day 5 / 担当:PM・マーケ・営業)

  • 各担当者が埋めたテンプレートをレビューし、認識のズレや抜け漏れを修正する
  • 特に「セクション5:強み・弱み」は複数人の視点を合わせることで精度が上がる
  • 営業メンバーを交えると、「商談で実際に比較される競合」の情報が補完されやすい

ステップ4:ツールへの転記と共有(Day 5〜6)

  • 完成したテンプレートをNotionまたはスプレッドシートに転記する
  • チーム全員が参照できる権限設定をする
  • 次回の更新担当者と更新サイクルを決めておく

チームレビューの進め方

競合分析テンプレートは、作成者だけでなくチーム全体でレビューすることで精度が高まる。以下の点を確認ポイントとして使うとよい。

確認ポイント:

  1. 事実と解釈を分けているか:「価格が高い」は事実だが「価格で負ける」は解釈。テンプレートには事実を記録し、解釈はコメントに留める。
  2. 情報ソースが明記されているか:後で更新するときに調査起点がわかるようにURLや確認日を記録する。
  3. 自社のビジネス文脈に照らして重要な項目が埋まっているか:全社共通の項目以外に、自社の戦略上重要な比較軸(特定の業種対応・特定の連携機能等)が抜けていないか確認する。
  4. 強み・弱みの評価が営業・CS・マーケで一致しているか:部門によって競合への認識が異なるケースがあるため、認識を揃えることがレビューの主目的の一つだ。

NotionやスプレッドシートへのコピペTips

テンプレートをMarkdown(この記事の形式)で管理している場合、NotionやGoogleスプレッドシートへの転記にはいくつかコツがある。

Notionへの転記:

  • MarkdownをそのままNotionに貼り付けるとテーブルが崩れることがある。Notionのテーブルブロックを先に作成してから手動でコピーするか、Notion APIを使って一括インポートする方法がきれいに反映されやすい。
  • セクションごとにNotionページを分け、「競合一覧データベース」と「1社ごとの詳細ページ」を分けて管理すると参照しやすい。
  • テンプレートの「最終更新日」と「担当者」をNotionのプロパティとして設定しておくと、更新管理がしやすい。

Googleスプレッドシートへの転記:

  • Markdownのテーブルをスプレッドシートに貼り付けるとパイプ文字(|)が入ってしまう。一度テキストエディタで整形してからCSVとしてインポートするか、拡張機能「Markdown Tables」を使うとスムーズだ。
  • スプレッドシートでは、各競合を別シートに管理するのではなく、全競合を1シートで横断比較できる形式(各列が競合)にまとめると、並べて比較しやすい。
  • セルに色付けルール(強み:緑・弱み:赤・未記入:黄)を設定しておくと、一覧で状況を把握しやすい。

テンプレートを「生きた状態」に保つ

テンプレートを作った後に直面する最大の問題は更新の継続だ。更新が止まる主な理由は「変化があったことに気づけない」ことである。

自動監視の設定

テンプレートの各項目に対応するページをWebサイト変更検知ツールに登録しておくことで、変化があった際に通知を受け取れる。

テンプレート項目 監視すべきページ
価格・プラン 競合の料金ページ
主要機能・差別化訴求 競合の機能ページ・トップページ
導入事例の業種 競合の事例ページ
キャッチコピー 競合のトップページ・LP
ブログ・コンテンツ更新 競合のブログ一覧ページ・RSSフィード

Compatoで競合の主要ページを登録しておけば、価格改定・機能追加・メッセージング変更があった際にSlackに通知が届く。通知を受け取ったタイミングでテンプレートの該当箇所を更新するルールを作っておくことで、更新作業が属人化せず継続する。

更新サイクルの例

  • 即時:価格改定・大型機能リリースの通知があった場合
  • 月次:変更検知の通知を振り返り、テンプレートに反映
  • 四半期:全項目を見直し、資金調達・M&Aなど大きな変化を反映

競合監視を自動化する方法では、収集〜更新のフロー全体を詳しく解説している。


テンプレートをバトルカードに展開する

競合分析テンプレートのセクション5(強み・弱み)は、営業が商談で使うバトルカードの原型になる。

テンプレートで「競合の弱み」として整理した内容を、「競合と比較された際に自社が伝えるべきこと」の形に変換することで、マーケティング資料から営業ツールへと展開できる。

さらにセクション7(カスタマーレビュー)で把握した「競合の弱みとしてレビューに頻出するポイント」をバトルカードに組み込むと、第三者視点の根拠が加わり説得力が増す。たとえば「価格が高い」という競合の弱みを示す際に、「G2のレビュー52件中15件で価格がネックと言及されている」という補強ができる。


まとめ

BtoB SaaSの競合分析テンプレートは、基本情報・プロダクト・価格・マーケティング・強み弱み・SEO/コンテンツ戦略・カスタマーレビューの7セクションで構成するのが実務水準だ。各セクションに記入例を設けることで、担当者によって記入精度がバラつくリスクを下げられる。

1社を1枚で把握する競合プロファイルカードは、チームへの共有や営業オンボーディングに役立つ。7セクションのテンプレートと組み合わせて運用することで、詳細な分析と素早い参照の両方を実現できる。

テンプレートを作る以上に重要なのは、更新を継続すること。競合のWebページを自動監視し、変化の通知をトリガーに更新するサイクルを作ることで、作って終わりの分析ではなく、戦略的意思決定に継続的に使える資産に育てることができる。

C

Compato 編集部

競合サイト監視ツール「Compato」の開発・運営チームです。市場を先読みするための競合インテリジェンス知識を、BtoBセールス・PMM・CSに向けて発信しています。

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